あらすじ|椎名真昼(天使様)のミニストーリー
学校では完璧な「天使様」として誰からも憧れられる椎名真昼。
けれど、二人きりの空間で見せる彼女の表情は、驚くほど豊かで、少しだけいじっぱりです。
今回は、そんな彼女の異なる魅力を切り取った3つのショートストーリーをお届けします。
それぞれの瞬間に合わせた描き下ろしイラストと合わせて、彼女の「特別な素顔」を覗いてみませんか?
リンク:お隣の天使様公式

1.陽だまりの指先
放課後の静まり返った教室。窓から差し込む西日が、彼女の金色の髪をいっそう輝かせていました。
「……そんなに見つめられると、困ります」
頬をわずかに赤らめ、真昼は人差し指を顎に添えて視線を逸らします。けれど、その瞳には拒絶ではなく、心地よい充足感が宿っていました。
普段は完璧な天使様として振る舞う彼女ですが、二人きりの空間でだけは見せる、年相応の少女のような脆さと甘え。ふわりと風に揺れる髪が、彼女の心の昂ぶりを代弁しているようでした。
「……でも、嫌いではありません。あなたの視線が、私を一番幸せにしてくれるから」
小さく零れた独り言は、午後の柔らかな光に溶けて消えます。けれど、彼女の柔らかな微笑みは、どんな言葉よりも深く、隣にいる相手への愛しさを伝えていました。#top

2.二人で見る夕暮れ
夕暮れの風が、少女の長い髪とワンピースの裾を静かに揺らしていました。
「ここ、私のお気に入りなんです」
振り返った彼女は、沈みかけた太陽を背にして微笑みます。山の向こうへ溶けていく橙色の光が、その頬をほんのり赤く染めていました。
「嫌なことがあった日も、ここから空を見ていると……明日くらいは、もう少し頑張ってみようかなって思えるんですよ」
そう言いながら、彼女は手すりのそばを少しだけ空けました。それが隣へ来てほしいという合図なのだと気づき、そっと並びます。
しばらく二人で眺めていると、彼女の小指がこちらの手に触れました。離れるかと思った指は、そのまま遠慮がちに絡んできます。
「今日は、一人で見るより綺麗です」
風に紛れそうな声でした。それでも、つないだ手から伝わるぬくもりだけは、夕日が沈んだあとも消えませんでした。#top

3.イタズラのパイナップル
部屋に入った瞬間、真昼は背景いっぱいのパイナップルを見て、静かに固まりました。
「……これは、どういう状況ですか?」 「夏っぽいかなって」 「夏を表現する方法は、もう少しあったと思います」
壁には虹、床には本物のパイナップル、そして真昼のTシャツにもなぜか虹。統一感があるようで、まったくありません。
真昼はため息をつきながら、床のパイナップルを持ち上げました。
「それで、これは食べるんですか?」 「飾り」 「食べ物を飾り扱いしないでください」 「じゃあ切って」 「最初からそれが目的でしたね?」
じっと睨まれ、思わず目をそらします。だが真昼は呆れたように笑うと、パイナップルを抱えて台所へ向かいました。
「仕方ありません。冷やしておきます」 「やった」 「ただし」
振り返った真昼の笑顔が、妙にまぶしく輝いていました。
「この壁紙を元に戻すまで、おやつはお預けです」
虹より鮮やかだった気分が、一瞬で曇り空になりました。#top
この記事で登場したキャラクターたちのイラストは、こちらのギャラリーページでも高画質でご覧いただけます。




